世界三大ピノ・ノワール産地セントラル・オタゴの先駆者

世界最南端のワイン産地であるニュージーランドのセントラル・オタゴ。
非常に冷涼なエリアで、栽培が難しいとされる世界三大ピノ・ノワール産地の一つに数えられています。
リッポンでは標高330メートル前後に位置するワナカ湖畔に畑を所有。この地を代表するワイン造りのパイオニアとして知られ、テロワールに忠実なワインを世に送り出しています。

リッポンの現当主ニック・ミルズは、フリースタイル・スキーの選手として活躍し、21歳の時に国内チャンピオンに輝いた異例の経歴の持ち主。
怪我でスキーの道を断念した後、父親が取り組んでいたワイン造りの世界へと進みました。 彼はすぐに渡仏し、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ、ニコラ・ポテル、アルザスのワイナリーを含め6軒で修業。 名だたるドメーヌで経験を積んだ後、2002年にリッポンに戻りました。

ブルゴーニュワインを彷彿とさせるエレガンス

ニュージーランドの他の地域が海洋性気候であるのに対し、セントラル・オタゴはブルゴーニュと同様に大陸性気候。 火山性土壌が強い圧力で成形されたシストが見られる特徴的な土地で、リッポンの畑はいまだフィロキセラの被害を受けていない、全てが接ぎ木無しの自根。世界でも数少ない畑です。新世界では珍しく灌漑に頼らないブドウ栽培を行い、ビオディナミ農法を実践しています。

自然に寄り添い、真摯な仕事ぶりから造られるリッポンのワインは、世界中で称賛されています。圧倒的なエレガンス、引き締まった風味の中に感じられるしなやかさは秀逸なブルゴーニュワインを彷彿とさせます。
豊富なミネラル、重厚感と凝縮感が感じられる素晴らしい味わいで、長期熟成のポテンシャルを備えています。

リッポンを代表するフラッグシップワイン

ワナカ湖に面する東向き斜面に広がるシングル・ヴィンヤード『エマズ・ブロック』。
粘土岩礁が細かい砂利を横切って走っている土壌で、西日が当たらない、温度変化が穏やかな場所です。 名前は現在のミルズ家の高祖母の名に由来し、リッポンを代表するフラッグシップワインとして堂々たる存在感を放っています。
手摘みで収穫後、ステンレスタンクで発酵。 熟成は新樽〜4年使用の古樽を用いて、16ヶ月行います。

瑞々しいラズベリーやブルーベリーのアロマ、スミレ、森の下草などの繊細なヒント。 デリケートな香りがじっくりと開いていき、きめ細やかなアタックから赤い果実、流れるようなタンニン、鮮明なミネラル感が完璧なバランスで広がっていきます。
フレッシュな酸を備え、長期熟成により一層美しい味わいの変化が期待出来ます。

当主のニックは、エマズ・ブロックのワインを「オーケストラにおけるソリストである」とコメント。ワナカの自然調和の中で、独自の魅力を表現する唯一無二のキュヴェと言えます。