シャトーヌフ・デュ・パプの最高峰『シャトー・ド・ボーカステル』

シャトーヌフ・デュ・パプの最高峰『シャトー・ド・ボーカステル』

コート・デュ・ローヌ地方南部を代表するワイン産地として知られるシャトーヌフ・デュ・パプ。
その名は14世紀に南ローヌのアヴィニョンに法王庁が置かれていたことに由来し、実際にローマ法王に献上されていた歴史があります。
現在に続くまで「法王のワイン」として認知され、フランスで最初のAOC認定を受けた産地の一つとしても知られています。

歴史あるシャトーヌフ・デュ・パプの中でも最高峰に君臨するシャトー・ド・ボーカステル。
この偉大なシャトーは1549年、ピエール・ド・ボーカステルがクードレにある土地つきの納屋を購入した事を起源としています。
1687年にはボーカステル家がプロテスタントからカトリックへ改宗した際に、フランス国王ルイ14世から褒美として由緒ある土地譲り受けました。

その後、所有者は変遷しますが、フィロキセラ禍で売りに出されていたシャトー・ド・ボーカステルを1909年にピエール・トラミエが購入。
彼の娘婿で科学者であったピエール・ペランへと引き継がれ、ブドウ畑の発展に尽力しました。
その努力と情熱は息子の3代目当主ジャック・ペランへと継承され、1978年まで続くキャリアの中で今日の礎を築き上げました。

ジャック・ペランの大きな功績は1950年代当時、まだ誰も実践していなかった有機農法を導入した点。
さらにムールヴェードルの可能性に着目し、栽培北限地であるシャトーヌフ・ド・パプでの栽培に注力した点が挙げられます。
彼の先見性は、長期熟成のポテンシャルを備えたシャトーヌフ・ド・パプのスタイルを確率しました。

現在、シャトーを運営するのは、ジャックの息子であるジャン・ピエールとフランソワの兄弟。
さらに5代目へと家族代々、素晴らしいワイン造りへの哲学は受け継がれています。
シャトー・ド・ボーカステルの歴史は、ペラン家が歩んできた軌跡と共にあります。
シャトーヌフ・デュ・パプのアペラシオンに70ha、コート・デュ・ローヌのアペラシオンに40haの畑を所有。
「多数の品種がブレンドされているほど、ワインの味わいに複雑さが増す」との考えのもと、13品種全てを栽培、ブレンドする伝統を守り続けています。

フランスを代表するワイン評価誌『ル・メイユール・ヴァン・ド・フランス』で名だたるシャトーと並び最高の3ツ星を獲得。
世界で最も有名なワイン評論家ロバート・パーカー氏からも「南ローヌ最高のワイン」として5ツ星の最高評価を受けています。