1855年のメドックの格付けで第3級を獲得、印象的なハートラベルで世界中から愛されるシャトー・カロン・セギュール。
ガロ・ローマ時代、ジロンド河口を行きかっていた輸送船『カロンヌ』に因んでその名が付けられたと言われ、12世紀には既にワインを生産していた文書が残っています。
シャトーが特に栄えたのは18世紀、『ブドウの貴公子』と呼ばれたニコラ=アレクサンドル・ド・セギュール侯爵がオーナーの時代。
彼はラトゥールやラフィット、ムートンなど所有し、ボルドーにおいて多大なる影響力を持つ存在でした。
セギュール侯爵のワインはフランス王室のみならず、ヨーロッパ中を魅了したと言います。
そんな中でも彼が最も心を寄せたのはカロン・セギュールで、「われラフィットやラトゥールをつくりしが、わが心カロンにあり。」という有名な言葉を残しました。
エチケットのハートマークはこの当時から続く、セギュール侯爵の最愛を表すシンボルです。
1894年からはガスクトン家が、長きにわたりオーナーとしてシャトーを守ってきました。
女傑と称されていたマダム・ドゥニーズ・ガスクトンが、一時は低迷していたカロン・セギュールの品質向上に尽力。
シャトーは格付け以上の高い評価を獲得するまでになり、更に発展しました。
2011年に彼女が亡くなり、翌年の2012年にジャン=ピエール・ドゥニ氏率いるアルケア相互銀行グループの子会社へシャトーを売却。
共同経営者であるヴィドロ・グループと共に、シャトーの歴史を尊重しながら、大規模な改修工事に着手しました。
実業家であるジャン=ピエール・ドゥニ氏は、ワインを愛し、ワインに精通している人物でした。
彼は、メドック生まれでワイン生産者を祖父にもつローラン・デュフォ氏を総支配人に任命。
技術責任者には、マダム・ドゥニーズ・ガスクトンにより2006年に任命されたヴァンサン・ミレ氏が留まりました。
1855年の格付け当時と変わらず、シャトー・カロン・セギュールでは55haのブドウ畑を所有。
サン・テステフ村の北に位置し、最も優れた区画は、シャトーのすぐ近くに位置する《ランクロ》地区に広がっています。
他に余り例を見ない土壌は大河によって運ばれた砂利質の厚い層に加え、その下に粘土の地層で構成されています。
ブドウの樹は地中深くに根を張り、ワインにパワーとフィネスをもたらします。
ブレンドの主となるカベルネ・ソーヴィニヨンは、全体の4分の3以上を占めます。
2006年以降、ヴァンサン・ミレ氏によって始められた畑の再構築には、2つの目標が掲げられました。
『植樹密度を高める事』・『カベルネ・ソーヴィニヨンの本数を増やす事』
彼は、ブドウ畑の大胆な刷新計画を立て、テロワールの価値を更に高めるという使命に向かって尽力しています。
シャトーの畑から採れるブドウが持つ力強さを生かし、長期熟成が可能なワインを造るために丁寧な醸造が行われます。
醸造責任者はソフトなタンニン、フレッシュさ、自然なアロマを保つこと、ブドウそのものを生かす事を追求。
手摘みで収穫されたブドウを手作業にて選果し、醸造の全工程は、ポンプを使わず重力に従うように設計されています。
18〜20ヶ月間新樽で熟成、清澄作業は近年に、卵白を用いた方法に戻されました。
力強さとエレガンスを備えたクラシカルなボルドーワインの魅力を持ち、長期熟成による美しい変化を遂げるシャトー・カロン・セギュールのワインは、世界中のワインラヴァーの心を掴んでいます。
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