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スペイン最高の醸造家テルモ・ロドリゲス

スペイン・リオハの名門ワイナリー「レメリュリ」を所有する一家に生まれたテルモ・ロドリゲス。 スペイン最高の醸造家と称賛され、スペインワイン業界を牽引してきた唯一無二の存在です。

幼い頃からワイン文化に触れて育ったテルモは、ビルバオ大学を卒業後、ボルドー大学醸造学部に進学。
その後はボルドーのコス・デス・トゥルネル、ローヌのJ.L.シャーヴ、プロヴァンスのトレヴァロンのもとで修行を積み、1989年より実家レメリュリに戻り、ワインメーカーとして働き始めました。
しかし、ワイン造りに対する意見の違いからオーナーである父親と対立。 レメリュリを飛び出し、1994年に盟友と「コンパニア・デ・ビノス・テルモ・ロドリゲス」を設立し、自らの信じるワイン造りをスタートしました。

世界的モダン化の波に押し寄せ、フランス系品種を取り入れる動きが活発になっていた1990年代のスペイン。 伝統的でマイナーなスペイン土着のブドウ品種から、そうした国際品種への改植が進められていきました。
テルモはスペインのテロワールに結び付き、地域に根付いてきた土着品種の個性を消し去っていく事に違和感を持っていました。
そこで彼は各地の古い土着品種の畑を復活させ、国際的な評価を獲得することにより、産地や固有品種の価値を取り戻す事を目指します。
スペイン全土を走り回りながら、伝統的な方法で優れたブドウ栽培を行ってきた畑を探索。 その土地を所有する栽培家や生産者に協力を得て、自身の理想とするワインを造り始めました。

現在では世界的に最も成功したスペインワイン生産者として「スペインで一番有名になった男」と呼ばれるまでになりました。
2010年には実家の「レメリュリ」にも復帰し、世界に向けてその独自性を発信し続けています。

ベルデホの魅力を引き出した、飾り気のないワイン

ルエダの大陸性気候に最も適応したベルデホ種で、品種の個性を最大化し強めた先駆的なワインの1つ。
石灰質土壌を持つ丘陵地帯に自生するブドウ品種ベルデホに、テルモは魅力を感じました。

長い時間をかけて川が浸食したことで、砂利の多いテラス状の畑より。
醸造はできる限りシンプル。ステンレスタンクを用いて低温発酵し、還元的環境でシュールリー状態をキープして6ヶ月熟成。 ダイレクトでフレッシュ、かつ表現力豊かなワインに仕上げています。
シトラスや白桃、アプリコットなどのアロマに、白い花、ハーブなど爽やかなニュアンスが重なります。 クリーンな味わいの中に、凝縮した果実と活き活きとした酸が絶妙に調和しています。

ラインナップの中でも特に人気の高いキュヴェながら、テルモ自身は商業的な造りから距離を置こうとしています。 よりルエダの伝統的なベルデホの特徴を引き出した、飾り気のないワインを造る事を目指しています。