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夫婦二人で生み出す、手作りのワイン

元グラフィックデザイナーという異色の経歴を持つイヴァン・キリコが、夫婦で営む自然派ワイナリー。
都会の生活に疲れ、新たな生き方を求めてトスカーナのシエナに移住。 そこでグラフィックの仕事をしながら、近隣のブドウ栽培農園でも働きました。

21歳の時に自然農法を提唱した福岡正信の著作「わら一本の革命」を読み衝撃を受け、本格的に有機農業を始めることを決意。
同時期にシュタイナーのビオディナミの概念を知り、進むべきはビオディナミによる自然なブドウ栽培とワイン造りと定めました。
奥さんとなるクラウディアとは旅先で知り合い、意気投合。将来の目的を「二人で自然農業の農園をつくる」ことに決めたといいます。

その後イヴァンはピエモンテ州にあるビオディナミのコースに通い、クラウディアは薬草学を修めるためトスカーナの大学へ進学。
コース終了後の2008年、トスカーナのワイナリーでナチュラルなブドウ栽培とワイン造りを実践。 翌年には自然派キャンティの人気生産者カステッリーナの存在を知り働き始め、12年に渡りオーナーであるファビオの右腕として活躍しました。
2016年にバレナイア農園を購入、カステッリーナで働きながら、耕作放棄地となっていた場所を切り拓き2020年に初ヴィンテージを迎えました。

急斜面に位置する彼らの畑は、ブドウ栽培に理想的な条件を備えています。
機械の使えない過酷な環境ながら、夫婦の丁寧な仕事により、まさに手作りのワインを生み出しています。

ピチピチとしたフレッシュな飲み心地が魅力的

ワイン名は直訳すると「土地無し」。 バレナイアの土地ではなく、隣村ファルトニャーノの畑のブドウを使っている事に由来しています。
旧知のボローニャのワインバーオーナーが主催する、ワイン生産者とアーティストを繋げるコラボ企画から生まれたワインです。
エチケットはボローニャ在住のアーティスト、ラーラ・オッタヴィアーニの作品を採用しています。

南から南東向きのガレストロを多く含む、砂と石灰の混合土壌。 12〜15日間醸し、ステンレスと一部をダミジャン（ガラスの容器）で6ヶ月熟成。

カシスやベリーなどのチャーミングなフルーツが香り、ピチピチとしたフレッシュなテクスチャーが口中を満たしていきます。
純粋に抽出された果実味に過度な重たさはなく、緻密なタンニンを伴った繊細な味わいが魅力的。
余韻には胡椒や花椒のスパイスのニュアンス、ミネラル感が残ります。