品質の高いワインを生み出す自然派ワイナリー

バーデン地域の南部カイザーシュトゥール地区のバーリンゲン村。
ヨーロッパの中でも北に位置しながら地中海性気候で、ドイツで最も温暖と言われています。
この地域で非常に品質の高いビオディナミの生産者として名を馳せているのがトラウトワイン醸造所です。

1649年から続く家族経営の小さなワイナリーで、12haの畑を所有。
前当主の代に、自身の子供たちが安心して暮らしていける社会にするために、農薬や化学薬品等の使用を止めて、ビオディナミ農法へ転換。
ドイツのワイン業界の中ではかなり早く、オーガニック農法へ切り替え、ドイツの環境食品団体「ビオラント」及び、2004年産よりフランスのビオディナミ栽培の認証機関「デメター」の規格に沿って行われるブドウ栽培に取り組んでいます。

長年自然のサイクルで土を活性化させてきたため、ブドウの樹の根がしっかりと土の中に張っており、トラウトワインの生み出すワインは、カイザーシュトゥールのテロワールを反映しています。 火山性土壌、石灰岩土壌のパワーとミネラルを存分に感じられる上品かつ洗練された味わいに仕上げられています。

現当主は、数々の名門での研修を経たアネ・クリスティン・トラウトワインさん。2019年に両親からワイナリーを引き継ぎました。
ブルゴーニュのメオ・カミュゼではピノ・ノワールを、ルフレーヴではシャルドネの栽培・醸造について、ドイツ国内では減農薬と伝統的なワイン造りやビオディナミ農法について学ぶなど、多くを吸収して実家のワイナリーを継ぎました。
当初は新たなことを取り入れようとするたび、父によく反対されていたそうですが、温かみのある伝統の味わいも守りつつ、徐々に今の洗練されたスタイルに変化していきました。
とても穏やかで優しいそのお人柄が、彼女の造るワインにそのまま表現されています。

ピュアな魅力溢れる、上品なピノ・ノワール

小樽での熟成(10％は新樽)。抽出をあまり強くしておらず、上品で化粧っ気があまりないタイプのピノ・ノワール。
芯がしっかりあり、土地の味わいを存分に感じることができます。

赤い果実のアロマにほのかな土っぽさが漂い、素朴さを感じる香りが広がります。 シルキーな口当たりで、ベリーの風味と丸みのあるタンニン、酸味がまろやかな味わいを形成しています。
ピュアな魅力に溢れ、余韻の長さに上質さを感じる赤ワインです。

Alc：12.2%　残糖：2.6ｇ/l　酸：6.9g/l