貴族が大半の土地を所有するボルゲリにおいて、ただ一人、地元の農家として立ち上げたワイナリーがレ・マッキオーレです。
第二次世界大戦中にフランスからのワインの輸入が滞り、ボルドーワインが飲めなくなった当時のサッシカイアのオーナーの悩みから自家消費用ワインを造り始めた事で、新たな銘醸地として花開いたボルゲリの地。
名門の貴族がワイン造りに参入する中で、商家の息子であるエウジェニオ・カンポルミは4haの畑を購入し、小さなカンティーナを始めました。
エウジェニオ・カンポルミは、この地の可能性を見出し、惜しみない努力を注いできました。
妻のチンツィアと共に、ボルゲリならではのワインを造るべく、研究を重ね、独自のスタイルを確立。
レ・マッキオーレでは単一品種にすることこそが、最もボルゲリの個性がワインに現れると考えに至りました。
そこから生まれたのが、1989年から造り始めたパレオ・ロッソ。
レ・マッキオーレはボルゲリ地区でカベルネ・フランに力を入れた最初の生産者として知られています。
パレオ・ロッソはカベルネ・フラン100%というユニークなスーパータスカンであり、ワイナリーにとって最も歴史があるフラグシップワインです。
完熟が難しい上、酸がきつく、ハーブの香りが強くなりすぎてしまうなど、世界的にみてもカベルネ・フラン100%のワイン造りは珍しく、困難です。
レ・マッキオーレではカベルネ・フランの可能性を早くから見出し、メインのカベルネ・ソーヴィニヨンに補助的にブレンドされていたカベルネ・フランの比率を徐々に高めていきました。2001ヴィンテージからカベルネ・フラン100%にしようと決意し、単一品種のパレオ・ロッソが誕生。
この成功を見て、他のワイナリーもカベルネ・フランを増やすなど、ボルゲリのワイン造りに大きな影響を与えました。
単一品種にこだわるレ・マッキオーレでは、パレオ・ロッソの他にもメルロー100%のメッソリオ、シラー100%のスクリオを続々とリリース。
気候から醸造まで、テロワールの要素すべてがストレートにワインに反映されるのが単一品種でのワイン造り。ミスが許されない、完璧さが求められます。
この絶対的なバランスこそがレ・マッキオーレの個性であり、ボルゲリの地を最も映し出したワインといえます。
2002年、エウジェニオが40歳の若さでこの世を去りました。
以降、彼の遺志を継いだ妻チンツィアと家族がワイナリーを牽引、レ・マッキオーレは躍進を続けています。
1994年が初ヴィンテージとなったメッソリオは2004年にワインアドヴォケイト誌で100点を獲得。以降、高評価は続き、世界のワインファンを魅了しています。
トスカーナ最高峰のメルローの一つと称されるメッソリオの優美さは右岸のボルドーをも圧倒する別格の存在としてワイン・アドヴォケイト誌でも高い注目を集めています。
2009年にはイタリアソムリエ協会による最優秀ワイナリーに選出。イタリア国内のみならず、著名なワイン評価誌でもイタリアを代表するワイナリーとして評価されるなど、その地位を確立しました。
© imaikwc inc. プライバシーポリシー | 特定商取引法に基づく表記