星がきらめく産地！スターレーン・ヴィンヤードのワイン

2024/6/29

スターレーン・ヴィンヤードは、1996年にカリフォルニア州サンタ・バーバラの最東端、サンタ・イネズ・ヴァレーに設立されました。
創設者は銀行業で成功を収めたジム＆マリー・ディアバーグ夫妻。
彼らのワイン造りの歴史は、1970年に地元でもあるアメリカ東部ミズーリ州でスタートしました。
禁酒法が施行されるまで、ミズーリ州はアメリカ産ワインの最大の供給産地であり、ワイン産業も進んでいました。
禁酒法解禁後、この地でのワイン造りは衰退。ワイン市場は、カリフォルニア州へと奪われます。
ディアバーグ氏は、ミズーリ州のそのような状況下でアメリカで最も古いワイナリー「ハーマノフ醸造所」を購入し、再建させました。
ハーマノフ醸造所は、現在も東部でワイン造りを行い東部で人気の高い蔵として知られています。

ミズーリ州は冷涼で湿気が多い為、栽培されるブドウ品種はハイブリッド種やドイツ系品種が中心でした。
そこでボルドー品種をこよなく愛するディアバーグ氏はボルドー、ナパと世界各国のボルドー品種の栽培に適した産地を長年かけて捜し回り、運命の地サンタ・バーバラ州に出会いました。
こうして、1996年にサンタ･バーバラ州サンタ・イネズ・ヴァレーでのブドウ栽培を開始し、翌年にはサンタ･マリア・ヴァレーでブルゴーニュ品種の栽培を始めました。2008年には重力を利用した現在の醸造施設が完成し、最高のブドウを最高の環境で醸造することが可能となりました。

初ヴィンテージがソムリエ最高評価を獲得

スターレーンブランドの実力が初めて高く評価されたのは、2007年から2008年にかけてアメリカ各地で実施されたプロ向けのブラインド試飲。
このブラインド試飲はアメリカ各地で実施され、121人のソムリエやワイン関連の専門家がテイスティングに参加しました。
サンタ・イネズのポテンシャルを示すために、当時無名だったこの地のワインを世界的に有名なナパ産ワインと比較するものでしたが、初のヴィンテージである2005年のカベルネ・ソーヴィニヨンは他を圧倒し、最高評価を獲得しました。
テイスティングにはオーパスワンなどカリフォルニア最高峰とされる錚々たるワイナリーが、スターレーンよりも高価格のワインを提供していた中での快挙でした。
さらに2008年から2015年にかけてはゴルフの四大大会の一つであるマスターズが開催されるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブでワインが提供されるなど、注目を集めることとなります。
プロフェッショナルを魅了したスターレーンのワインは、瞬く間に人気を博しワイン業界で伝説を築きました。

天才醸造家によるワインメイキング

2013年によりスターレーン&ディアバーグブランドの最高醸造責任者として従事するのは、天才醸造家と称されるタイラー・トーマス氏。
前職の「ドネーラン・ワイナリー」ではパーカーポイント100点を獲得するなど、注目を集めている人物です。
コロラド大学で植物学を専攻し、カリフォルニア大学UCデイヴィス校で醸造学と栽培学の博士号を取得。
その後DRC共同オーナーだったオベール・ド・ヴィレーヌ氏の元、ナパ・ヴァレーの名門「ハイド・ド・ヴィレーヌ」で経験を積み現在に至ります。
品質第一主義で、多彩なテロワールを描き出すため、畑を細分化し個別に醸造を行い、長い時間をかけて畑に隠された偉大な力を見出してきました。
自身の力を引出し、喜びを与えてくれるワインを目標に掲げ、快楽的であり知的、何度でも飲みたくなるようなワイン造りを追求しています。

ワイナリー名のスターレーンとは、スターレーン用にブドウが栽培される農場の名前で、小高い山々に囲まれた地域になります。
周囲には何の障害物もなく、夜間は星が落ちてきそうな程の満天の夜空が広がります。
この美しい夜空からワイナリー名であるスター（星）・レーン（山の連なり）という名前が付けられました。