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ワインの歴史を変えた唯一無二のシャトー

言わずとしれたメドック格付第1級シャトー・ムートン・ロートシルト。
その始まりは、ロートシルト家が自らの来賓のために振る舞うプライベートワインを造るために購入したことに遡ります。
1855年のメドックの格付けでは１級確実の予想とは異なり、２級に格付けされました。
その後、畑、醸造技術、熟成方法などあらゆる面を見直し、改良を重ねます。
そして遂に1973年、異例の１級への昇格を成し遂げ、ロスチャイルド家の長きに亘る悲願を達成しました。

ムートン・ロートシルトを語る上で外せないのが、シャトー元詰システムの構築です。 1924年にフィリップ・ド・ロートシルト男爵は、従来まではネゴシアンへ樽のまま出荷していた慣習を取りやめ、シャトーで完全にボトル詰めするように改めました。
全ての工程をシャトーで完了させるこの方法により、ワインの品質を徹底的に管理出来るようになったのです。

またこのシャトーを特徴付けるのが、様々な画家が手掛けてきたアートラベルです。
第二次世界大戦終了の1945年に、連合軍の勝利を記念した特別なラベルを芸術家のフィリップ・ジュリアンに依頼。 「Victory」のVの文字が飾られたそのラベルのワインは、世界で称賛されました。
以後毎年、現代美術家がムートンのために制作したオリジナル作品が、その年のワインのラベルとして採用されています。

長期熟成のポテンシャルを感じさせる卓越したヴィンテージ

2018年のスタートは困難を伴う天候に見舞われたものの、優秀なスタッフのたゆまぬ努力により、ブドウは健全に育ちました。
前半の厳しい状況とは対照的に、夏から収穫期にかけては理想的な気候条件のもと、糖度の高い素晴らしいブドウが収穫出来ました。

黒みを帯びたルビーレッドの深い色調。チェリーやプルーン、ブラックベリーなど熟した果実の芳醇な香りと、スパイス、ミントのニュアンス。 密度のあるアタックは果実の凝縮感、滑らかなタンニン、繊細な酸が中心を成し、カカオ、杉など複雑な要素を伴いながらフィニッシュへと導かれます。
並外れた長い余韻が続き、今後の長期熟成のポテンシャルを充分に感じさせる卓越した印象を残します。

中国の芸術家・作家として世界的に活躍する徐冰(シュ・ビン)氏がラベルを担当。
東洋と西洋の文化の融合を試みる同氏の創作漢字を用いた独創的なデザインです。