ドメーヌ・デ・ザコルは、オリヴィエ・ルリッシュと妻フローレンスが、ローヌのアルデシュで設立したドメーヌです。
オリヴィエは世界中で絶大な人気を誇るドメーヌ・デ・ラルロで、13年間指揮を執り、全房発酵やビオディナミ栽培導入にも尽力した人物。
繊細なバランス、優雅なスタイルのワインは人々を魅了し、オリヴィエは稀代の天才醸造家と称されました。
そんな華やかなキャリアを捨て、彼は夫婦で『自身のドメーヌを持つ』という夢を実現するために新たな挑戦を始める事を決意。
家族のルーツであるレマン湖から地中海までのローヌ川流域に新天地を求めました。
2011年2月、2人はローヌ川右岸から数キロ離れたサンマルセル・ダルシュの町に18haの畑を購入。
畑があるのは、ほとんどが樹齢50年以上で粘土石灰質土壌の丘で、前所有者はワインは作らずに全ての葡萄を共同組合に販売していました。
完全な有機農法では無かったもの、きちんとした農薬対策をとっており、過去何年も化学肥料不使用だったこの地をオーガニック農法に切り替え(Ecocert認証取得)、その後ビオディナミ農法へと移行しました(2015年Demeter認証を取得)。
古木のカリニャンとグルナッシュ、そしてカベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、シャルドネを植樹。農薬や合成肥料を使用していない彼らの畑には、ブドウの基の間に草が自然に生えています。
ブドウは手作業で早めに収穫し、アルコール度数の低い、親しみやすいワインに仕上げています。
収穫は8月中旬から下旬にかけて、果実が適度に熟した状態を見極め、フレッシュさと良い酸味を維持します。
収穫されたブドウは、ラルロ同様に小さな箱に入れ、保冷できるトラックでセラーへ輸送。さらにブドウの品種に応じて可能な限り全房を使用、重力を利用した果汁を移動や、樽もラルロの古樽が使用されるなど、随所にラルロのエッセンスが散りばめられています。
自然に近い状態を保ったブドウは、天然酵母で発酵され、テロワールや品種の特徴、ヴィンテージなどを反映したワインへと醸造されます。
ボルドーとディジョンで共に学んだオリヴィエとフローレンス。オリヴィエはブドウ栽培とワイン醸造を、フローレンスは植物保護を修めました。
夫婦の共同作品であるドメーヌ・デ・ザコルのワインは、フィネスがあり、エレガントなスタイルで瞬く間に人気となりました。
「ザコル」とは、オック語(中世フランスで使われていたロワール川以南の言葉)で、テラスやアルデッシュの丘、南ローヌ地方のブドウ畑の丘という意味です。
今ではフランス国内の三つ星を始め、世界中の有名レストランでオンリストされ、日本でも熱心なファンが彼らのワインを待ち望んでいます。
年々、入手困難となっており、今後はますます目が話せないドメーヌとなっています。
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