デュジャックが手掛ける洗練された南仏ワイン【トリエンヌ】

2025年5月某日、トリエンヌ/ドメーヌ・デュジャック当主・アレック・セイス氏がプロモーションのため来日されました。
アレック氏は、トリエンヌの創始者であるジャック・セイスの次男で、2003年よりドメーヌに参画。
創設期から現在に至るまでのトリエンヌに関するエピソードを語ってくれました。

1990年、南仏でブドウ畑探しを始めたドメーヌ・デュジャックのジャック・セイス。
3人の息子の父であるジャックは、ブルゴーニュという限られた地域で子ども達全員にドメーヌを引き継がせる事は難しいと考えていました。
すでに価格が高騰し始めていたブルゴーニュで畑を増やす事は現実的ではなく、新天地を南仏へと求めました。

ジャック・セイスは後に次のように語っています。
『80年代のブルゴーニュの異常な価格上昇で投資は不可能に近かった。そこでブルゴーニュ以外の場所で新しい品種を使って何かできるのではないかと考えるようになったんだ。』

この壮大な計画を友人であるオベール・ド・ヴィレーヌへ相談。オベールはジャックの考えがすぐに気に入り、そして友人のパリの実業家、ミッシェル・マコ―もこの冒険に賛同しました。
あちこちを探し回った末、1989年末に偶然ナン・レ・パンにあるドメーヌ・ドュ・ロジ・ド・ナンを見つけます。
それはマルセイユの北東、エクス・アン・プロヴァンスの西に位置するドメーヌでした。
当時、今ほどプロヴァンスのロゼが流行っている時代ではありませんでしたが、ジャックには地中海に近接した場所で偉大なワインを造ることができる、という確信があったのです。

ドメーヌ購入の決め手となった理由の一つが、標高がとても高いこと。
平均して400メートル以上の所に畑があり、夜間には気温が冷え込み、ブドウの綺麗な酸を保ってくれます。
もう一つはブルゴーニュと同じような傾斜の斜面であったこと。
さらに土壌は粘土石灰質で、ブルゴーニュを彷彿とさせるテロワールに恵まれていました。 実際、このドメーヌを購入する前には、土壌のサンプルを採取し、そのポテンシャルを確かめています。

アレック氏は冗談っぽく、次のように話しています。
『父はプロヴァンスの素晴らしいテロワールを確信していましたが、リタイア後に過ごすにも最適な場所だという下心があったに違いありません。』



手に入れたドメーヌの畑は手入れが全く行き届いておらず、醸造所も古くひどい状態で、汚れた貯蔵タンクがあるだけで何もありませんでした。
これまで大量生産を強いられてきたブドウ畑は疲れ果て、ワインを熟成させる十分なスペースも無かったといいます。
畑、醸造所のすべてを改善する必要があり、理想とするドメーヌへの道のりは大変困難なものでした。

ブルゴーニュで成功を収めていたジャック・セイスは、当初はプロヴァンスでも上質なワイン造りがスムーズに出来ると思っていました。
しかし、現実は想像以上に厳しく、未知の土地でゼロからスタートをする事は挑戦と失敗の連続でした。
まずは彼が好きなブドウ品種を植え始め、そのブドウからワインを造り、テイスティングをする事を繰り返します。
それはトリエンヌのスタイルを探求するトライアルの時代でした。 10年程の試行錯誤を経て、2000年頃から自分たちの方向性が明確になってきました。
どこの畑にどのようなブドウを植え、どういった育ち方をするかという研究の結果が出てきたのです。
2007年からはビオロジック農法に切り変え、認証は得ていませんがビオディナミ農法を今は実践しています。
2010年代に醸造設備を一新し、ワイン造りはより的確に行えるようになりました。

現在もワンブロックに様々なセパージュが植えられており、各品種に合った場所を選定して栽培しています。
アレック氏は重要な事として次のようにコメントしています。
『樹齢がまだ35年しか経っておらず、今までは本当の複雑味はまだ出せていませんでした。
ようやく30年を超えてきたブドウ樹があり、これからワインの奥深さが表現出来ると考えています。』

ブルゴーニュで培ったドメーヌ・デュジャックの哲学は、トリエンヌでのワイン造りにおいても継承されています。
第一に、ワインの素晴らしさというのは90%は畑で決まっているということ。
醸造過程や気候による影響も受けますが、ワインの質に大きく作用するのは畑である、とアレック氏は断言しています。
ブルゴーニュで行うような緻密な作業をトリエンヌのチームでも行っていると言います。

『父からはいつも、少しだけ一歩の良い工夫をして、良い結果が得られると教えられてきました。
小さな工夫を積み重ねがワインの中に違いとして表現されると。
だから、いつも昨日よりベターな事ができると考え、毎日取り組んでいます。』

ブルゴーニュでのワイン造りをそのまま当てはめる事はできず、ゼロから手探りで始めたトリエンヌ。
しかし、やはりブルゴーニュで培った経験というのは、このドメーヌでも確かに息づいているとアレック氏は語ります。
まず、白ワインには綺麗な酸がなくてはならないということ。
そして凛としたスタイルを支える骨格があり、フィネスがあること。
この3つの要素がなくして、美味しいワインは造りあげられず、それはどの産地でも共通していると言います。
赤ワインにおいては、複雑味、エレガンス、フィネスをもつ、熟した果実味と調和したストラクチャーのあるワインを目指しています。
樹齢が高くなりブドウの状態も安定、新しい醸造設備で時間をかけた発酵を行うなど、ワインの品質も年々向上しています。
トリエンヌの真価を発揮するのは、まさにこれから。年を重ねる毎に楽しみが増す、期待のドメーヌです。


通常順 - 価格順 - 新着順

トリエンヌ/ I.G.P. メディテラネ・レ・ゾーレリアン 2021

  • 2,365円(税込)

ロマネ・コンティのオベール・ド・ヴィレーヌと・デュジャックのジャック・セイスによるコラボレーション!カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーのブレンドが生む、芳醇な赤ワイン。

トリエンヌ/ I.G.P. メディテラネ・レ・ゾーレリアン ブラン 2022

  • 2,365円(税込)

ロマネ・コンティのオベール・ド・ヴィレーヌと・デュジャックのジャック・セイスによるコラボレーション!デュジャックならではのブルゴーニュスタイルの白ワイン。

トリエンヌ/ I.G.P. メディテラネ・トリエンヌ・ロゼ 2023

  • 2,090円(税込)

ロマネ・コンティのオベール・ド・ヴィレーヌと・デュジャックのジャック・セイスによるコラボレーション!南仏の爽やかなロゼワインです。


トリエンヌ/ I.G.P. メディテラネ・サン・トーギュスト 2020

  • 3,025円(税込)

ロマネ・コンティのオベール・ド・ヴィレーヌと・デュジャックのジャック・セイスによるコラボレーション!15年以上の熟成にも耐え得るフラッグシップワイン。

トリエンヌ/ I.G.P. メディテラネ ヴィオニエ・サント・フルール 2022

  • 3,025円(税込)

ロマネ・コンティのオベール・ド・ヴィレーヌと・デュジャックのジャック・セイスによるコラボレーション!芳醇な香りと洗練された飲み心地を兼ね備えたヴィオニエ。

トリエンヌ/ I.G.P. メディテラネ メルロー2020

  • 2,530円(税込)

ロマネ・コンティのオベール・ド・ヴィレーヌと・デュジャックのジャック・セイスによるコラボレーション!一年間の樽熟を経て、メルローの魅力をじっくりと引き出しています。



    全 [6] 商品中 [1-6] 商品